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1984年11月、ピリミジニルカルボキシ系(PC系)と呼ばれる新しいタイプのALS阻害作用を有する除草剤について、プロジェクトを組んで集中的に探索研究が行われていた。
その際中に、PC系化合物のカルボン酸の代わりに、フェニルイミノ体を合成する目的でN-フェニルサリチルアルジミンのナトリウム塩とスルホニルピリミジンを反応させたところ目的物は得られず、O-ピリミジニルサリチルアルデヒドと、アニリノピリミジン(KIA-2324)が予期しない副反応生成物として得られた。この化合物に灰色かび病に対する活性が見出されたのである。1985年1月、この化合物系統を殺菌剤研究室で検討することになり、KIA-2324系として構造最適化が始まった。リード化合物に種々の構造変換を加え、最適化を行った結果、ピリミジン4,6-位にコンパクトな置換基を種々組み合わせた化合物はいずれも高活性ではあったが、いくつかの作物に対して許容外の薬害がみられた。しかし、メチル基とプロピニル基を組み合わせた化合物(KIA-3535)は活性が最も高く、さらに幸運なことに作物に対する安全性が増すことがわかった。KIA-3535は1985年5月に合成された。殺菌剤として研究を始めてからわずか3ヶ月で最高活性にたどり着いている。
その後約1年半にわたり周辺化合物を合成したが、KIA-3535に勝る化合物は見出されなかった。こうして選ばれたKIA-3535はフルピカと名づけられ現在販売中である。KIA-3535を見出すことができた理由の1つに、新しいアニリノピリミジン誘導体合成法の開発がある。アニリノピリミジン誘導体の合成法にはアニリンと2-位に脱離基を有するピリミジンとの反応と、フェニルグアニジンとジケトンの環化反応との2つの反応があった。
しかし、いづれの方法も合成可能な置換基に制約があり、探索研究段階での置換基変換に対応するには不十分であった。そこで、ホルムアニリドと水素化ナトリウムをTHF中室温で反応させることにより得られたナトリウム塩と2-メチルスルホニルピリミジンを反応させることにより、N-ホルミルアニリノピリミジンを合成し、次いでアルカリ加水分解して2-アニリノピリミジンを得た。こうして開発した新しい合成法により、広範な置換基変換に対応することができた。
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