|
1983年我々はPROTOX阻害剤に属するイミド化合物の探索研究をしていたが、なかでも、活性の高いチオウラゾール体に着目した。
その合成検討の中で、最初の計画にはなかった新規なイソチオウラゾール体を発見した。
三菱化学の研究者に後から知らされたことだが、彼等はイソチオウラゾールではなくイソウラゾールの合成を目指していた。イソウラゾールはすぐに転位反応がおこりウラゾールに変換してしまったそうである。
その後彼等はイソチオウラゾールの合成は試みなかった。
このイソチオウラゾールは活性の高いチオウラゾールのプロドラッグであることは最初から予想されていたが、その後さらにクミアイ化学生物科学研究所の薬理研で研究が進められ明らかになった。
その為に活性体であるチオウラゾールに比べて高い選択性を実現した。
この骨格を見つけた後、2年間は水田剤を目指して展開を行った。
そして1985年水田剤としてKIA-750の圃場試験が実施された。
しかしその結果は惨澹たるもので試験区によっては薬害がひどく、またホタルイにはほとんど活性がなかったこともあり、さながらホタルイ畑のようになっていた場所もあった。しかしちょうどその頃、住友化学の特許の中に茎葉処理剤を目指した化合物群の特許が公開された。
そこで茎葉処理剤にターゲットを替え、変換を開始した。しかし水田の結果により、このような接触枯れを示す剤の中で選択性の高い化合物が存在するのだろうかという疑問の声も多かった。
|