研究開発
研究体制
研究体制
GLPとは
研究成果
研究業績
構造式一覧
新剤の発見経緯
製品の紹介
製品一覧

研究成果
新剤の発見経緯
KIM-112KIH-2023 / KIH-2031の発見経緯 / KIH-9201KIH-6127KIF-3535
KIH-2031の発見経緯
ステイプル処理圃場(米国)
ステイプル処理圃場(米国)

 しかし選択性は未だ不十分で、高選択性を目標にKIA-5034をリード化合物とした最適化が引き続き行われた。最適化は製造コスト面での有利さを考慮して、カルボン酸エステルの変換、2-位クロロ基の変換、酸素原子の変換の順に行われた。
 酸素原子を硫黄原子に変換すると活性が低下することが予想されていたことと6-位置換チオサリチル酸の良い工業的製造法がなかったことから、酸素原子の変換は優先順位が最も低いものであった。カルボン酸エステルの変換、2-位クロル基の変換を中心に約1年間300化合物をスクリーニングに提供したが、活性の強弱や若干のスペクトラムの変化は見られたものの、選択性の面で本質的な進歩はなかった。
 しかし、系統化合物の見直しを進めるうちに安息香酸ベンゼン環が無置換のものについて、ベンゼン―ピリミジン間のブリッジ原子を酸素原子から硫黄原子に変換した先例があった。この化合物の除草活性は約1/10に低下したが、ALS阻害活性は低下していなかったため、ブリッジ原子を酸素から硫黄に変換しても殺草ポテンシャルは維持されるものと考えた。
 背水の陣の心境でKIA-5034のブリッジ原子を硫黄に変換したKIA-8921の合成を行い、その除草活性を調べることにしたのである。

ステイプル処理圃場
ステイプル処理圃場(手前:無処理、奥側:処理区)
(ブラジル)

 KIA-8921はKIA-5034に比べ、禾本科雑草に対しての活性は予想通り1/8〜1/16低下したが、広葉雑草に対する活性は1/2〜1/4程度低下しただけであった。
 一方、KIA-8921のALS阻害活性はI50値で32nMであり、KIA-5034のI50値24nMとほぼ同等であり、これも予想通りであった。全く予想外であったのは棉に対する薬害が1/256〜1/512に低下したことであった。
 その後、KIA-8921は50〜100g/haの薬量でイチビ、アサガオ等の難防除大型種子広葉雑草を含めた種々の広葉雑草に卓効を示す高選択性除草剤であることが明らかにされ、棉用新規除草剤として開発が開始された。さらに工業的製造法に適したNa 塩KIB-2031として開発が継続され、6-クロロチオサリチル酸の工業的製造法も確立されて今日に至っている。

ステイプル処理圃場(米国)
ステイプル処理圃場(米国)
 KIA-8921の成功は、課題を解決するためには最後まで諦めず、あらゆる可能性を追求し、それを実験事実としてきちんと評価するという当たり前のことが如何に大事であるかを示しているように思われる。

前へ

TOP >> 研究開発 >> 研究成果 >> 新剤の発見経緯

Copyright 2003, K・I Chemical Research Institute Co., Ltd.