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新剤の発見経緯
KIM-112 / KIH-2023の発見経緯 / KIH-2031KIH-9201KIH-6127KIF-3535
KIH-2023の発見経緯

ノミニー KIH-2023(bispyribac-Sodium)、KIH-2031(pyrithiobac-sodium)及びKIH-6127(pyriminobac-methyl)は、ピリミジニルカルボキシ系の除草剤であり、その研究は1984年6月に合成されたKIA-1283に端を発している。我々も含め、当時世界中の除草剤研究者は、デュポン社が開発した新しい作用性で驚異的な低薬量で活性を示すスルホニルウレアに注目していた。
 今でこそ多種多様なALS阻害剤が知られているが、その当時は、このタイプに属する除草剤はデュポン社のスルホニルウレアとACC社のイミダゾリノンのみであり、しかもこのタイプの除草剤のターゲット分子がALS(アセトラクテートシンテース)であることすら知られていない時代であった。
 当時の業界では、この作用性を発揮するためにはベンゼン環とピリミジン環を繋ぐブリッジ部分にスルホニルウレアの様な酸性基が必須と信じられていたので、この常識から逸脱したKIA-1283がスルホニルウレア様の除草活性を示したことは衝撃的であったと同時に、とてつもなく大きな鉱脈にぶち当たったという興奮に包まれた。
KIA-1283をリード化合物としたプロジェクトはKIA-1283系と呼称され、カルボン酸をピリミジニルオキシ基又はチオ基のオルソ位に配置するというアイディアの独創性が高いので、先行技術を気にすることなく自由に展開できた。
ノミニーのコードNo.はKIB-2023で、両オルソ位に4,6-ジメトキシピリミジニルオキシ基が結合した安息香酸であるKIA-5750のNa塩である。
 当時の研究者にとって、高活性水田用除草剤をKIA-1283系化合物から産み出すことが最大の夢であった。

ノミニー しかし、KIA-1283系化合物は稲に対する薬害が強く、稲が生き残ることが稀なくらいであった。KIA-5750が合成された1986年1月の時点では、KIA-1283系化合物が活性を発揮するには、安息香酸のオルソ位(2位)にピリミジニルオキシ基又はチオ基を配置する必要があり、もう1つのオルソ位(6-位)に置換基を導入すると活性が強まることは判っていた。
 稲に安全な化合物を作るためには、KIA-1283系の特徴を根本から変えてしまう必要を感じ、6-位の置換基にこれまでになく大きな置換基を導入することを計画した。
 実は既に1985年5月に安息香酸のKIA-5750のエチルエステルであるKIA-3533を合成してあり、最高薬量の4Kg/haですら全く除草活性を示していなかった。
しかし、活性を示さなかったのは、大きな置換基に挟まれたエステルが加水分解されず、活性本体であるカルボン酸になれなかったためと考えられた。
 そしてこの考えを支持するデータも存在していた。即ち、1986年までには、クミアイ化学生物科学研究所薬理研究室における研究の結果、KIA-1283系化合物はALS阻害剤であり、活性本体はカルボン酸であることが明らかにされていたのであった。


ノミニー処理圃場(左:無処理区、右:処理区)(米国)
ノミニー処理圃場(左:無処理区、右:処理区)(米国)
ノミニー普及農民集会(コスタリカ)
ノミニー普及農民集会(コスタリカ)

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